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【金銀比価のチャート】GSRの意味 銀の買い時は?

銀投資

「今、銀は買い時?」「金はどう?」

貴金属に投資をする場合、気になるのが「買い時」です。少しでもお得な価格で購入したいですね!これを判断するときに便利な指標があります。「金銀比価(GSR)」です。

金の価格を銀の価格で割ることで、銀が割安なのか? 割高なのか?がわかります。そこで、この記事では、金銀比価の意味、チャートで調べる方法をご紹介していきます!

■この記事の要点
  • 金銀比価により、銀の価格の位置がわかる。
  • 比率が高い=銀は安い。 比率が低い=銀は高い。
  • 銀と金は相関関係がある。
  • 但し、銀の価格推移が比率に大きな影響を与えていることが多い。
  • 金は、景気後退や社会に不安があると上がりやすい。
  • 銀は、景気回復や社会に積極的な心理があるときに上がりやすい。

金銀比価の意味

金銀比価は、英語で「GSR」といいます。

金銀比価=1オンスの金の価格を1オンスの銀の価格で割る

現在の金価格を銀の価格で割り、銀が買い時なのか? それとも売り時なのか?を判断します。

例えば….

  • 現在の金の価格が3000円
  • 銀の価格が50円

この場合、3000/50=60。60が金銀比価です。そして、この比価を次の基準で判断します。

  • 100以上=金売り・銀買い。
  • 40~50前後=金買い・銀売り。

100を超える場合は、銀の価格が割り安のため、安全資産である金を売り、積極資産である銀を買います。一方、40~50前後の場合は、銀が高くなり過ぎているため、銀を売り金を買います。これまでの歴史では、この金銀比価は、50前後で推移していました。

しかし、2020年初頭から始まったコロナウィルスの影響により、2020年3月には、金銀比価が129前後まで上昇して、銀の需要が高まりました。一部の専門家は、将来的に金銀比価は、16:1になるも言っていますが、彼らは、銀の販売をしている人も多いため注意が必要です。

  • 金銀比率が高い=銀の買い時(例:90など)
  • 金銀比率が低い=銀の売り時(例:50など)

上記のように覚えましょう! ちなみに、2020年9月現在は、金銀比価は70前後です。

変動する仕組み(影響の原因)

金銀比価は、金の価格を銀の価格で割ったものです。では、そもそも、なぜ、これらの価格が重要なのでしょうか? それには、次の3つの理由があります。

  1. 金と銀の価格推移は、各国の法定通貨に依存していないこと
  2. 金は、資産の保全性の観点から、先行きが不安な時や不況の時に買われる。
  3. 銀は、産業性の観点から、好景気に買われる。

金と銀は、各国政府がコントロールする金融システムとは別に存在する「実物」です。そのため、これらは、各国政府の思惑通りにはらない、世界の心理的な部分を移す鏡です。

基本的に金は不況時に買われて、銀は好景気に買われます。よって、少し見方を変えれば、金銀比価は、不況時の気持ちを好況時の気持ちで割ったものとも言えます。

金銀の需要例は?

  • 金=宝飾品や金貨
  • 銀=工業用の需要、宝飾品

金は、資産の保全の観点で利用。他方、銀は除菌、消臭や加工のしやすさなどの金属的な特性から工業用に需要が高いです。金の需要が増える=不況。 銀の需要が増える=好況と判断できます。

比率が変動する仕組みは?

  • 景気後退→金価格が上昇=比率が高くなる。(不況と感じている人が多い)
  • 景気回復→金価格が下降=比率が低くなる。(好況と感じる人が多い)

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金銀比価の調べ方(チャート)

では、実際に金銀比価の調べ方をご紹介します。実はチャート自体は、田中貴金属さんのサイトなどでも公開されています。皆さんが利用しやすい物を選びます。

例えば「TrandingView」は、非常にシンプルに表示されているので利用しやすいです。

GSR

画像出典元:TrandingView(https://jp.tradingview.com/symbols/TVC-GOLDSILVER)

グラフの下には、金銀比価を自動計算した上で「今は買い時なのか?」「売り時なのか?」を表すテクニカル分析のグラフもあります。下のテクニカル分析は「金」について表しています。

GSR

画像出典元:TrandingView(https://jp.tradingview.com/symbols/TVC-GOLDSILVER)

大切なこと

金銀比価は、金と銀の比率から銀の購入を判断するための「一つの指標」としては有効です。しかし、指標とは別に、もう少し全体を「俯瞰(ふかん)」する視点を持つことも重要です。

そもそも、なぜ、金や銀などの貴金属を購入するのでしょうか? 普通であれば、紙幣をせっせと貯金しておけばいいですね! でも、それをすることなく「貴金属」を購入する理由は? この理由こそが銀投資をする最も大きな目的です。

銀を購入する目的=法定通貨の価値に依存しない物を所有して資産を守ること

お金は、価値がある物として認められているので流通しています。

例えば、一万円が単なる紙であれば、当然、それを基に交換する人はいないですね。一万円を一万円として利用できるのは、日本銀行が「このお金は一万円の価値があるよ!」と認めているからに他ならないからです。アメリカであれば、FRBがドル札の価値を担保しています。

  1. お金自体は、単なる紙に過ぎない。
  2. この紙に保証をしているから、お金として使える

上記2つがお金が「お金」として流通するための絶対的な条件です。では、仮に流通するお金がどんどんと増えている場合は、お金の価値は、どのように変化するのでしょうか?

例えば、今、日本中に500兆円のお金が流通している。それが2倍の1000兆円のお金が流通するとなると、単純計算をして、お金の価値は半分になると考えられますね! 近年、各国政府は、お金を自由に発行できるため、どんどんとお金の価値が下がっています。

特に2020年初頭から流行している新型コロナウィルスの影響により、各国政府は、様々な景気刺激策を実行するためにジャブジャブとお金を擦り続けています。つまり、お金自体の価値がどんどんと低くなっているのです。

下のグラフをご覧下さい。こちらは、日本銀行の通貨発行残高の推移を示したものです。1955年からスタートして通貨の発行残高は、右肩上がりに上昇を続けています。特に2003年頃からは、そのペースが急速に上がり、グラフの上限を突き抜ける勢いであることがわかりますね!

日本銀行 通貨発行残高

  1. 各国政府はお金をジャブジャブとすり続けている。
  2. 世の中に出回るお金が増える=お金自体の価値が下がる。
  3. 現金しかもっていない人=資産がどんどんと減る。

上記の理由から、紙の資産ではない金や銀を購入する人が増えています。もし、銀の購入を考えている方は、ぜひ、金銀比価にだけに注目するのではなく、もう少し大きな視点で考えることをお勧めします。銀の所有は、利ザヤを稼ぐ目的ではなく、資産を保全する観点で考えが方が良いです。

ハイパーインフレになれば、紙の紙幣は、単なる紙です。預金封鎖が起きれば、自由に現金を引き出せなくなります。これらは、作り話でもなく、今もなお、世界のどこかで起きていることです。もちろん、ここ日本も例外ではありません。

だからこそ、紙の資産だけではなく、現物の資産を持つことが重要です。金銀比価は、判断の指標の一つに過ぎません。ここにとらわれて売買による利ザヤを稼ぐのは本末転倒です。大切なことは「実物による資産の保全」です。

まとめ

  • 金銀比価は、金の価格を銀の価格で割ったもの。
  • 比率が高いと銀は買い時。低いと銀は売り時。
  • 比率を確認しながら、必要な現物資産を持つべき。
  • 紙の資産は、どんどんと目減りしている。
  • 銀も金も現物資産で法定通貨の影響を受けない。
  • 金銀比価にばかり注目するのではなく、もう少し広い視点が必要




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