「これから銀貨の投資をしようと思う。でも、どんな方法で銀を投資できるのかわからない。シルバーのコイン? バー? どんな形がいいのやら。」
そこで、今回は、銀投資の種類、メリット、デメリットなどの比較をしていきます。
銀貨投資の種類
銀投資には、大きく分けると次の6つがあります。それぞれの特徴を確認していきましょう!と、その前に、銀の単位を復習です。シルバー投資をすると、必ず「OZ」や「トロイオンス」「.9999」などの表記を目にします。それぞれの意味は、次の通りです。
- TOZ(略)=トロイオンス
- トロイオンス=31.10g
- ノーマルイオンス=28.35
- .999又は.9999=シルバーの純度。この場合は、ほぼ100%であることを示す。
銀投資6つの方法
- 銀塊
- 銀製品
- ジャンクシルバー
- コレクターコイン(アンティークコイン)
- ETF
- 採掘会社の株
1.銀塊(コイン、ラウンド、バー)
- ソブリンコイン
- ラウンドコイン
- インゴット/バー
1.ソブリンコイン(Coins)/各国政府発行
銀投資で最も有名な物がシルバーのコインタイプです。コインには、大きく分けるとソブリンコインとラウンドコインの二種類があります。
ソブリンコインは、アメリカ、カナダ、オーストリアなど各国の政府機関が純度、含有量などを銀貨の表面に刻印する物です。各国の造幣局が公式に製造している銀貨であるため、信頼性も高く、流動性(換金性)が高いです。一方、ラウンドは、民間企業が発行するコインです。
- ソブリンコイン=政府発行
- ラウンドコイン=民間発行
アメリカンイーグル、カナダメープル、などは、すべてソブリンコインです。各国政府の造幣局が発行しているため「額面」が刻印されているのが特徴です。信用性は高く、通貨としての価値があります。一方、銀そのもの価値とは別の費用(プレミア)が多く含まれおり、割高です。少額から銀投資を始めたいと考えられている方は、まずは「ソブリンコイン」一択です。
代表的なソブリンコイン | 額面 | 発行国 |
イーグル | 1ドル | アメリカ |
メープルリーフ | 5ドル | カナダ |
フィルハーモニー | 150euro | オーストリア |
カンガルー | 1$ | オーストラリア |
2.ラウンドコイン/民間発行
ラウンドコインは、民間の造幣局が製造するコインです。コインの発行主が民間機関であるため、額面等もなく、シルバーの純度とグラムのみが価値を担保します。各国政府の造幣局が発行するソブリンコインよりも純度や量などの信頼性が低く換金性が劣ります。特に○○限定などと発売されているコインは、銀貨自体の価格とは別にプレミア代が加わっているため、損をする可能性が高いです。
- ギリシャ
- ゴシック クラウン
- ダイアナ
- ディズニー
- ディナール
- ディルハム
- デナリウス
- ロシア
- ヴァイキング
- ヴァン クリーフ
- ピーター ラビット
- ビクトリア
- フランス 5 フラン
- ポーランド
- ムーミン
- メキシコ 8 レアル
- ラトビア 猫
- ヴェネツィア
- クラウン ビクトリア
- グロッシェン
参考情報:代表的な金貨は?
- 南アフリカのクルーガーランド金貨
- オーストラリア カンガルー金貨
- オーストリア ウィーン金貨
- カナダ メイプルリーフ金貨
3.インゴット/バー(Bars)
インゴット(バー)は、現物の銀を所有する上で最もお勧めです。理由は、バーに含まれる「プレミア」が最も低いためです。その中でも1kg単位又は、最低、10oz単位で購入するのをお勧めします。
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インゴットの種類
インゴットには、サイズや大きさ、ブランドなどにより、いくつかの種類があります。
例えば、大きさでいうなら、次のサイズがあります。
- 1/2トロイオンス
- 1、2、3、5、10、100トロイオンス
- 1キロ、10キロ
小さな単位であるほど、そこに含まれるプレミア(無駄な加工賃等)が大きいです。ただし、あまり大きなサイズにすると、今度は、売却しにくいとの側面もございます。よって、銀のバーは、1キロ単位又は、10オンス(300g程度)を基準に所有がお勧めです。
欧米で人気があるバーの一例
- ロイヤルカナディアンミントシルバーバー(100)
- 朝日シルバーバー(100)
- アメリカ国旗シルバーバー(10)
欧米であれば、上記のバーを所有する方が良いです。ただし、日本の場合は、銀投資自体がマイナーであるため、貴金属の買取店も、そこまでブランドを気にしなくても良いと思います。どのブランドの銀であっても「単なる銀」の扱いとなり、一律「80円/g」との価格で買い取ることが多いです。
関連知識:
- 1/10th、ハーフコイン、クォーターコインは、プレミアが大きくなりがち
- お金に余裕があるならバーの購入一択
- 銀投資の初心者は、1オンスのコインやジャンクシルバーがおススメです。
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2.銀製品
例えば、アクセサリー用の銀は「925シルバー(.0925)」とも言われおり、他の金属と合わせることで、銀の弱さを補っている合金です。この場合、シルバー商品の所有自体が銀の現物の投資です。しかし、銀製品の所有は、銀塊よりも場所を取りやすく、さらに「銀の含有量」を正しく把握する点で大変です。
例えば、目の前にシルバーのスプーンがあるとします。一見すると、すべて銀のように感じます。しかし、よく調べると、銀のメッキが大部分を占めており、本当の銀は5割しか含まれていない等のケースもございます。やはり、銀の含有量を正しく把握できることが絶対的な条件です。
特に注意する点:銀メッキをしている偽物の有無
3.ジャンクシルバー
例えば、ジョン・モルガン時代に発行された1ドル硬貨には、シルバーが0.77344 oz。アイゼンハワー大統領のときのジャンクシルバーには、 0.3161ozが含まれています。これが銀の含有量から考える価値です。他方、この含有量に関わらず、これらジャンクシルバーは、アメリカ政府が「1ドルの価値がある」と決めています。これが法定通貨としての価値です。
ジャンクシルバーを購入するときのポイント
ebayなどを見ると、たくさんのジャンクシルバーが見つかります。これを上手に購入するには「ジャンクシルバーに含まれる銀の量」を考えます。
例えば、モルガンのジャンクシルバーを購入するとしましょう。このとき、1オンス辺り3000円と提示されたら買うべきでしょうか? この場合は、買うべきではないですね! モルガンのジャンクシルバーの銀の含有率は、0.77です。よって、銀の含有量から考える本来の価格は、次の通りです。
- 購入時の銀の価格=1gが50円と仮定
- 50×31g(1オンス)=1500円前後
- 1600×0.77=1232円(銀の価値)
3000-1232円=1768円
上記の場合、1200円前後の銀を手に入れるために、約1800円前後のプレミアを支払っているといえます。=損をする。
4.コレクターコイン(記念コイン)
5.採掘会社の株を所有する
例:Silver Standard Resources Inc.
6.ETF/投資信託
例:PowerShares DB Silver Fund
コインとバーはどちらが良い?
コインとシルバーは、どちらを購入すれば良いのでしょうか? この答えは、どちらがより「プレミア」が含まれているのか?を考えます。銀の価格には、銀のその物の価格の他、銀の加工賃や期待値(プレミア)などが含まれます。
そして、一般的には、各国の造幣局のコインには、銀の価値以上のプレミアが含まれています。また、銀とバーの加工時間を比較しても、コインの方が多いです。つまり割高になりやすいです。
コインとシルバーを比較して、より無駄な費用が含まれやすい物は何か?
この点の答えは「コイン」です。よって、初めて銀投資をする方は、次の順位で購入していくことをお勧めいたします。
- 銀のバー(10オンス又は1KG)
- 銀のコイン(Silver Bullion Rounds)
- 銀のコイン(Silver Bullion Coins)
まとめ
- 銀のスポット価格を知ること(それに近づけることがベスト)
- ジャンクシルバーは、銀の含有量を確認すること
- コレクターズコインは避けた方が良い。
- 現物の銀を購入するときは、できるだけ無駄な費用が含まれていない商品を選ぶ。
- 無駄な費用が含まれていないことと合わせて、売却のしやすいタイプも考える。
- 銀コインとバーを比較した場合、プレミアが少ないバーの方がお得に購入できる。